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「美味しいと感じたものしか出しちゃいけないのと同じです。美術館も。」
KW:いまの東京の開発のされ方って六本木に象徴されるように囲い込んだ、エリアホールのやり方だと思うんですよ。
BS:「囲い込んだ」という表現は、イメージしやすいですね。「この中だけはこうしよう」っていう。。。
KW:そう。だけど、その中で一番面白いと思うのは、その周りっていうか、エッジかなと思うんですよ。そこの囲いからはみだした部分、はじき出された部分みたいなところをデザインする人がいないといけないと思っているんです。バリバリにデザインするのではなくゆるく導いていくようなデザインとでも言いますか。そういう大型ビル開発がボンボンボンボン出来上がった後に、誰かがこの面白い仕事をしなきゃなんない!そういった意味でもブルースタジオは面白いことをやってるなと思うし、これからこういう作業が異なるベクトルから自然発生していくと思います。これは、文化も美術も同じだと思うんだけど、ハイ・アートがガーンって出てくると、ロー・アートやサブカルチャーが反発として出てくるでしょ。それが僕には面白いんですよ。街って、全部が全部、計画で出来てしまったらつまらないと思うんですよ。ある意味で「よごれ」ってなきゃだめだし、、、
BS:「よごれ」?
KW:そう「よごれ」。雨が降って全ての水が同じ排水管に流れていくのではなくて、川に流れたり、水が溜まったりすること、、、水がたまって、「よごれ」とでも言得るような小世界ができること、、、は自然なことだと思います。こういうものを残した上でどう街をつくるかってことを考えていかないといけないだろうと思いますよ。大型案件は、それはそれでやっていただいて、でも皆が「でも、それだけじゃないんじゃない?!」って感じはじめた時に、そうでないものがホントに求められますよ。ただ、大型案件もそうでないものも両方必要なんです。両輪。アートも同じ、ハイアートとサブカルチャー。これらは両輪です。
BS:ワタリさんが本当にやりたいアートはどんなものなんでしょうか?
KW:ホワイトキューブの中で、絵がキッチリ掛かっているだとか、完璧なインスタレーションがされているみたいな完成度も大好きだけど、一方で荒々しく都市の中に作品が落ちていく、機能していく瞬間も大好きで、両方ないと私はダメなんですよ。ホワイトキューブもやりたいし、街に出て行くこともやっぱりやりたい。ただ、一般に「街に作品を出す」って普通のパブリックアートのことを指すことが多いけれど、私が考えているのはちょっと違います。ワタリウムの活動をみてもらえばわかりますけれども。それから。。。最近特に考えるのは、「アート」でもっと社会を変えていったり、新しいシステムを提案したり、そういうことですね。「アート」ってそもそも新しい概念でしょ。「美の概念」。今までみんなが気付かなかったことに「美」を感じさせる力を持っている。つまり、、、「アート」は新しいシステムを提案していくこと。法律が変わる。人の意識が変わる。いまは、作品のカタチよりも、こういうことの方に興味があります。
BS:そういうことは、なかなか一人の力では難しくないでしょうか?もっと組織的にすすめていくとか?
KW:いや。でも、言い出すのはいつもひとりだから。そこから始まるんですよ。
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