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「コツン」と手応えのある何か。

BS:様々な展覧会の話が出ましたが、写真は撮影するだけでなくて、それを現像して焼くっていうプロセスがあります。またその後に、何らかのカタチで人に「見てもらう」という行為が写真を完結させるようなところがあります。中里さんにとってそれらは連続していますか?それとも別の行為ですか?どう捉えてやってらっしゃいますか。

KN:発表する形態もいろいろあって、展示する、雑誌に掲載される、写真集として出す、、、いろいろあるじゃないですか。でも写真家としてはやっぱり、写真集を出すということがいい・・・でもそうはいっても、展示は展示の面白いところもあって・・・僕も、以前はギャラリーにきちんと展示するような写真家らしい発表のしかたをしていたんですよ(笑)。

BS:いわゆる立派なギャラリーですか?さっきの「元工場」の正反対で・・・例えばビルの1階で、ガラスの自動ドアから入っていくようなイメージの。

KN:そう。写真をバチッと展示して「ご覧下さい」って。その頃は写真家としてのまっとうな道を歩んでいたかも。。。(笑)

BS:そこの枠の中から中里さんがはみ出してしまったんだとすると、それには何かキッカケがあったんでしょうか。

KN:「見せる」ってことに関していうと京島の長家でやったことはひとつのキッカケかも知れない。でも、「撮る、プリントする、見せる」という事をトータルに考えていくと、その写真をどんな場所でどう見せるのかという興味が強くでてきて、工場や空店鋪や市場なんかで、その場の空気をもらいながらの展覧会になっていったんです。

BS:ここ数年でやってこられた中里さんの展示方法は本当にユニークだと思います。これからも刺激的な展覧会を期待していますよ。

KN:どんな展示やインスタレーションをやってもやりたいことの根っコは変わらないんですよ。日頃見慣れてしまって、空気のようになって気付かなくなった景色。。。そんな景色の中に潜んでいる「コツン」と手応えのある何か。それを再発掘したいんです。実はこれが一番難しいんだけれど。

BS:ところで、中里さんはデジカメは使わないですか?

KN:使わないね。リズムが狂っちゃう。フィルム巻いて、ピント合わせて、シャッター押して、またフィルム巻いて、、、つまり、写真を撮るということは、僕にとっては歩くリズムみたいなもんですよ。デジカメだとそのリズムが狂っちゃう。

BS:僕なんかはマニュアルで撮っていると、その微妙なタイムラグがもどかしい時があるんですよね。ちょっとピント動かしている時に、逃げちゃったり。。。

KN:それは無いですね。そういう写真は撮らない。こっちのリズムに乗ってこないから。でもね、デジタルビデオは撮りますよ。あのなめる感じ。あれは、やっぱりスチルじゃ得られないですからね。

BS:どんな空間をDVで撮るのでしょうか?

KN:展示・インスタレーションしたりする空間を撮影するんですよ。スチルだと空間を撮っているようでも、どうしても「自分がどう見てるか」で撮っている感じがするんですよね。後で出来た写真を見て、「実際に空間で体験した感覚はちょっと違うな」って自分でも思う時がある。。。やっぱり空間のつながりを撮りたければ、ビデオ。その方が合っているような気がする。それは今のところ、自分の作品会場を記録するという事に限ってですけれど。
(その後、沖縄のWANAKIO 2003というアートイベントでは、中里氏にとって初のビデオ作品<スウジグヮー光源学・路地裏のマリリン>を制作)









以上三点「小屋の肖像」(メディアファクトリー)他より
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