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BS:お仕事をはじめられてからということですよね。それはやっぱり上司から教えられたことなんですか。
MH:その上司が私の人生の中でポイントなんですよ…コラムニストの山本夏彦。就職課で彼の主宰する雑誌の求人を見つけたんです。文芸春秋の彼のコラムなんかは、私は小さい頃から読んでましたらから、「あ、彼のところで働けるんだ!」って。そもそもインテリアにも建築にも興味のなかった私が、その雑誌、「室内」の編集部に入ったきっかけは、そこだったんですね。
BS:それから、山本さんとの仕事が始まったわけですね。
MH:そう。小さい会社でしたから、山本と一緒にいる時間はとても長かったですね。しかし面白いのは、山本自身もインテリアとか建築とか興味があるわけではないんです。
BS:???興味がない分野の本を作っちゃうんですか?
MH:「ジャーナリストの才能っていうのは、その分野が好きかどうかとは関係ないんだ」っていうことを、そこで教わったんですよ。この世界にいる人がどういう情報を求めているか、、、そのことを俯瞰視して見ることさえ出来れば、編集の仕事は出来るんですよ。ある程度好きなことはいいんですけれど、入り込み過ぎるとそれはジャーナリストとしてはあまり良くないですよね。例えば、新入社員は雑誌の後ろの方にある「新発売告知板」っていう新商品を紹介するページの小さな小さな記事を書くところから仕事が始まるんですけれど、これも元となるメーカーのプレスリリースのまま書いていたんではダメで、過去にはどんな商品があって、読者にとって何が新しいのかということを客観的に書かなくてはならないんです。
BS:なるほど。それこそが、「もの書き」といわれる人たちの仕事なわけでしょうね。
MH:そういうわけで、インテリアとか建築を知らなかった私が、仕事を通してインテリアデザイナーや建築家と呼ばれるような人と会うことが多くなり、興味を持つようになっていったんですよ。例えば、椅子っていうものは、座や背や脚…こういったパーツから出来ているらしい、そういうことを初めて知ったわけですよ。
BS:そうか、そうか、そういうところから、誰がカタチを決めていて、誰が材料を持って来て、どこで、誰が加工していて、っていうところに話がいくわけですね。
MH:そう!そうなんですよ。コルクの床材の産地まで遡るために、ポルトガルまで行ったりとかね。
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