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切手の意味
BS:これは愚問かもしれませんが、「こんなに種類が要るかな?」というところはありませんか?
MM:まず、お金でも1円玉から1万円札までいろんな種類があるように、切手も有価証券ですから料金によって基本的な種類が要るわけですね、これは普通切手のバリエーションに発展していきます。記念切手のバリエーションは軍事的なところが起原になっています。強い軍事力をもって他国を侵略した時にまず代えるのは貨幣と切手で、つまりこの二つは国の力を示す大きなファクターだったわけですよ。日露戦争に勝ち、日清戦争に勝ち、、、そういう主旨の切手が出てくるわけです。戦時中は「国威高揚」、、、ほら、、、切手にも菊の御紋がついているでしょう。そして戦後は「産業図案」、、、「日本の国の産業は今でもこんなに残っていますよ、だから皆がんばろう」っていうメッセージを込めて発行されているんですよ。
BS:つまり、国からのメッセージ(情報)の媒体になっているのがこの小さなグラフィックデザインとも言えるわけですね、
MM:そうです。その後の東京オリンピックの時、あるいは今の天皇陛下のご成婚記念の時にもやはり大量に切手は収集され、切手ブームになりました。こういうキャンペーンメッセージという背景があって、切手の種類は増えていきます。ところが電話が普及し、ラジオ・テレビ・雑誌が普及してくると、切手の「情報を伝える」役割は少しずつ失われていくことになります。
BS:なるほど。東京オリンピックやミッチーブームはちょうどテレビの普及する時期と重なりますね。
MM:そう。そうしてその後、切手は「情報を伝える切手」から「投機対象としての切手」に変化していき、収集するという人も増えてきました。更にここ20年くらいでは、「投機対象としての切手」から、「楽しむための切手」といった方向に人々の関心は徐々に変わって来ましたね。
BS:そう、たまたま事務所に届いた封筒をいくつか持ってきたんですが、中にはこんなに素敵な切手が貼ってあるものがあるんです。こんな切手で送られてきたら中を見る方もワクワクしますよね。「こんなに楽しい切手があったんだな」と、今回改めてビックリしました。
MM:そうですよね。「書くこと」そのものを楽しむ人は増えていますね。例えばこれはオランダのDick Brunaを原画に起用するという企画だけれども、わたしたちも「楽しむための切手」という考え方で企画を立てることは多い。
BS:「国威高揚」の頃の「情報を伝える切手」から現代の「楽しむための切手」まで、相当な変化を遂げて来たということですね。
MM:その通りです。
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「国威高揚」のメッセージが込められている(復刻)

本「戦後復興」のメッセージが込められている(産業図案) |