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勝負する分野は「コンテンポラリーアート」

BS:それがティー・ジー・エイですね。コンテンポラリーアートを扱っておられるわけですが、「モノづくりに興味があった」とおっしゃっていたことと関係がありますか。

EI:モノづくりといっても図面を描いたり、ディテールにこだわったり、デザイナー的なアプローチの「モノづくり」ではなく、社会的な新しい仕組みづくりに関心があるわけです。

BS:「こんなことがあったのか!!!」っていうような・・・

EI:そうですね。そういう意味でいうと、この会社の目的は少し大きいところにあります。まず日本の国家戦略というか、文化を輸出産業化していく国家施策は他国に比べ非常に弱いんですね。例えばアジアでは、韓国や中国、シンガポール等が国家による強力なイニシアティブによってコンテンツ産業の海外輸出戦略が押し進められています。もちろんヨーロッパの国々も、文化を産業化することによってそれぞれの国のソフトパワーを上げていっています。人材を育て、ソフトの質を上げ、同時に世界マーケットへのアプローチも戦略的に構築し、次世代の為の国際競争力を高めようとしているわけです。日本でも、こうした大きな動きを体系的にやっていかないと、必ず国力が落ちる。次世代の人々がワールドマーケットで堂々と戦うことができなくなる。3社目となるTGAの起業は、そうした危機感がベースとなっています。日本あるいはアジアが欧米マーケットときっちり対峙できるだけのソフトパワーを持つためにはどうしたらいいのか、その新しい仕組みづくりを行う過程で、その一端を担えればなと思っています。

これまで日本には世界的に通用するコンテンツは、少ないながらも存在はしていました。しかしそれらは突出した個人の才能が点として存在していた結果です。そうではなく、体系的に戦略として個の才能とマーケットを同時に育てていくことをしないといけないと思うんです。いまTGAでは、コンテンツの広い分野の中から、幾つかにその焦点を絞っています。いま注力しているのは、コンテンポラリーアートという分野です。

BS:TGAでは、宮島達男さんとプロジェクトを進めてらっしゃいますね。

EI:そうですね。昨年から現代美術作家の宮島達男氏と「1000 Real Life Project」というアートプロジェクトを進めています。その中でさまざまなマーケティングをやってきましたが、日本とアジアではコンテンポラリーアートのマーケットが全く成熟していないという事が判ってきました。つまり、コレクターがいない。もちろん少しばかりのコレクターは存在しますが、それは点でしかなく、マーケットとして認知されるレベルではありません。欧州と比較すると圧倒的なマーケット規模の差です。原因は税制の問題等いくつかありますが、まずヨーロッパのような社交界がないというの大きい。例えば、ヒヂヤさんが事業で成功し、1,000億円の資産をお持ちになったとします。でもヒヂヤさんは、この社交界に入れないんです。

BS:どうしてでしょう?


宮島達男氏とのプロジェクト。
詳細は、http://www.1000reallife.net




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