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" いかに使うか・・・コンバージョンの研究。"

2年前、「コンバージョンによる都市再生」という先駆的な研究成果が一冊の本にまとめられた。世界的な潮流でもあった「建築物の用途変更(=コンバージョン)による再生技術」がいよいよ日本でも着目されはじめたころで、その分野ではほぼ最初の研究成果と言えよう。その中心研究メンバーでもあった佐藤考一氏(当時、東京大学)にお話しを伺った。

佐藤考一/サトウコウイチ
工学博士。佐藤建築計画室主宰。前東京大学工学系研究科・研究支援員

2004年6月24日 東京大学工学部にて
インタビュアー:泥谷英明(blue studio)
撮影:武井良介

「いかに使うか」を研究テーマに

ブルースタジオ(BS):先ず初めにお伺いしたいと思いますが、どういう経緯で「コンバージョン」というテーマにご興味をお持ちになられたのでしょうか。当時、非常に先駆的なテーマだったわけですが。

佐藤考一(KS):もともとは、松村先生がNYに行ったことがはじまりです。でも、その目的は初めは「コンバージョン」ではありませんでした。

BS:?・・・では、どういうテーマだったのでしょうか。

KS:「超高層ビルがどのように取り壊されているのか?」これを調査するのが目的でした。日本でもストック時代に入っていく事がわかっておりましたから、これは非常に興味のあるテーマでした。ダイナマイトで建築物を破壊するようなやり方もあるのでしょうが、取壊しが難しい都心の超高層がどう更新されるのか、その姿を調査しようとしたわけです。・・・ところが現地に入ってみると一握りの例外を除いて「取り壊されていなかった」わけです。都心の超高層は取り壊されずに使い続けられていたということがわかり、研究のテーマも自ずと変更され、それで「コンバージョン」研究に至ったというわけです。その後、建築学会でオープンビルディングの産業化小委員会というところが母体となり文部科学省に「コンバージョン」をテーマとした研究助成を申請、松村先生を中心とする研究チームができました。

BS:「如何に使うか」の研究は「如何に壊すか」から始まったわけですね。非常に興味深いです。

KS:ローワー・マンハッタンで空オフィスを住宅に用途変更する際に、行政は固定資産税を優遇してコンバージョンの活性化を誘導したんです。松村先生もそれを視察した時に「ああ、オフィスが住宅になる。」と初めて気付かれたということだったようです。それからしばらくして私はこの研究会に誘われたんですが、その時ににわかには信じられなかったんです。「オフィスを住宅にする?またご冗談を・・・」と。確かにNYでは存在する話しかもしれませんが、日本では、相対的に小規模なオフィスが多いですし、個人オーナーの比率も高い。そういった環境でコンバージョンをドライに成立させるのは難しいようにも思ったわけです。「ストックの時代であるし、産廃を減らすという意味でも大切な研究だ」と頭では分かっていても、どこか違和感があったのも事実です。






「コンバージョンによる都市再生」
(2002/日刊建設通信新聞社)
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