| 見せびらかしたい車椅子
BS:個人の自転車だけでなく、「45RPM」や「キャピタル」といったファッションメーカーのオリジナル自転車を作ったり、コンランショップで自転車のエキシビジョンをされたりしていますが。
NT:作家としてつくることは極力避けているから、コンランショップでの展示ではお客さんの自転車を借りて持っていったんだ(笑)。45RPMの自転車は年間100万円以上買ったお客さんにプレゼントするための自転車。モデルをつくって700台工場でつくってもらって。モデルは古いパーツも使っているけど、700台もあるから新たにパーツはつくってもらって。
BS:キャピタルでは車椅子をつくられてますよね。車椅子をデザインすることになったきっかけは?
NT:キャピタルは洋服屋さんでハンディキャップのある人の洋服もデザインしているんだけど、片手でボタンが止められたり、片手でベルトを締められたりそういう用途上の配慮もなされているが、とにかくかっこいい洋服をつくっている。キャピタルの平田さんに「かっこいい車椅子って無いよね。無いから作ってよ。」って言われて。いわゆる健常者には、洋服や自転車ひとつ選ぶにも選択の余地があるのに、障がい者にはほとんど無い。車椅子を必要としている人にとっては自分の身体の一部なのに、色ひとつ形ひとつ選ぶ余地が無い。それはおかしいなと思って。だから「この車椅子に乗って外に出たい、見せびらかしたい」っていうのが最初のコンセプト。車椅子に関して言えば、自転車屋がつくる車椅子は車椅子屋がつくるものよりも回転部分のノウハウがあるんだ。例えばホイールはバスケットの試合用のホイールを使っている。
BS:パラリンピックなどでみるバスケットの車椅子は、自転車屋さんがつくっているんですか?
NT:自転車屋が作っていたりするんだよね。この車椅子の前輪の小さな車輪は、回転に自由が利いてベアリングのよいインラインスケートの車輪。シートは椅子屋さんがつくっているから、車椅子のシートより遥かに座りやすさを意識していると思うよ。シートは皮でいろんな色が選べるしね。フレームはアルミ製でベンダーで一気に曲げていて、強度を持たせるため中身は二重になっているけどとても軽い。それから車椅子を必要としている人と言っても、足がまっすぐ硬直している人もいれば半身不随の人もいるから、足を乗せる位置を変えられたり右手だけで操作ができたりと、工場で組み立てる時に、使う人に合わせられる余地は持たせている。
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