| マジックを吹き込む。
BS:高橋さんは以前の職場からオーダーシャツの仕事をされていたんですか?
KT:それが違うんですよ。以前の会社は大手のアパレルメーカーで、百貨店や量販店、専門店を相手に仕事をしていました。大量生産型のビジネスタイプですね。マスマーケットを対象にしたマーケティングや企画をしていました。シャツの仕事を30年続けてきて、行き着いたのが今のオーダーの仕事です。一人一人の身体にあった、スタイルにあった一枚のシャツを作ることがシャツの本質だと思ったんです。
BS:それでは現在のオーダーシャツのお仕事の魅力を教えてください。
KT:オーダーの仕事は以前の仕事と比べて効率がよくありません。以前は一度に同じデザインを何百、何千と生産していましたから。しかし、「着る人の顔が見えてこないな」と、そう感じていました。現在の仕事ではお客さんとのコミュニケーションによってシャツ作りができるんですよ。着る人のことを最大限理解し(短時間での理解には限界がありますが)、その人のための一枚を作る。完成したシャツを受け取りにきたときのお客様の期待と不安にあふれた表情や、シャツをお召しになり満足してもらったときの表情は最高です。そして、そのシャツを表情豊かに着こなして「K’s
PAPA」へ来ていただいたときは感動です。それが僕にとって、この仕事の最大の魅力です。
BS:なるほどコミュニケーションからモノ作りをする・・・。モノ作りの本質のように思います。高橋さんと話すことが楽しくて、シャツよりお話目的でくる方もいらっしゃるんじゃないですか(笑)。
KT:そうですね。僕も人と話すのが好きですからね。話してその人のことをよく知れば知るほど味のある、表情のあるシャツができますからね。ただ、事務的に要望を聞くだけでは良い仕事はできません。コミュニケーションの中からサイズ、趣味以上の情報を引き出すことでお客さんの要望以上のシャツができるんです。
BS:マジックですね!お客様の要望を聞き、採寸し、個性を知り、シャツを作る。完成までの2週間の間に高橋さんや職人さんのマジックがそこに吹き込まれて、お客様の期待を上回るシャツを作る!だから、皆さんそれに期待して「K's
PAPA」へ何度もシャツを作りにくるんでしょうね。
KT:そう思ってもらえるとうれしいです。
BS:これからの「K’s PAPA」についてお聞かせください。
KT:変わりません。同じく一人一人のお気に入りになるシャツを一枚一枚作って行きます。よく、「高橋さんのシャツ私の店に置かせてよ。」と言われますが、断っています。それではオーダーシャツではないですし、僕がお客さんとコミュニケーションしなくちゃ「K’s
PAPA」じゃないですからね。お店もここの一店舗だけです。堀田さんもしっかりと良い空間作りをしてください。
BS:ありがとうございます。本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。
KT:こちらこそありがとうございました。
衣・食・住と言いますが高橋さんの作るオーダーメイドの「衣」と私達の作るオーダーメイドの「住」にコミュニケーションという共通のキーワードが見えたような気がします。 |